変身願望

今の自分を変えたい……

と思っている方は少ないと思います。

 

医療師施設など、外部の力を借りて美容整形や肉体改造、ダイエットなど、外形を変化させることをきっかけに自分を変えることが、その一つの方法になっているようです。

あるいは、誰かの言葉や行動、映画の台詞、書籍に記載されている言葉などが、内面からの変身を促す場合もあります。

 

テレビ朝日で放映された、藤田まことさん主演の『必殺仕事人』(松竹・ABC)の主人公、中村主水は、奉行所ではうだつの上がらない昼行灯、家では嫁、姑に頭の上がらない種無しカボチャと言われていますが、その実、晴らせぬ恨みを人知れず晴らす剣の達人です。

 

変身モノのヒーロー、たとえばこれも現在のテレビ朝日で放映されたアニメーション『破裏拳ポリマー』(タツノコプロ)の主人公は、正体を隠して日常生活を送っているときはだらしない人物ですが、敵に対して変身すると、圧倒的な強さを見せてくれます。

 

平成の仮面ライダーは、変身してなおバージョンアップするために変身するのが当たり前になっていますが、あれでよく混乱しないなあ〜、と思ってしまうのは、私だけでしょうか……(多分、私だけでしょう)

 

いずれにせよ、変身後のかっこいい姿が真実であるかのように見てしまいがちですが、それは変身前の自分があるからで、実はかっこよくない自分も、真実の自分ではないかと思います。

 

仮面ライダー』の変身から始まって、『破裏拳ポリマー』『必殺仕事人』はもちろん、『山月記』の李徴のように虎に変じたいという思いに誘われるままに、子供のころから現在に至るまであまたの変身、あるいは変心を繰り返してきた私は、果たしていずれが本当の自分かわからなくなっております……