〝猫騙し〟の真意

神事を発祥としてその伝統を受け継ぎ、力士はもちろん、行司の差し違えにも厳しい大相撲が面白い理由の一つは、土俵で繰り出される、数々の技にあります。

 

昨日の、横綱白鵬関の〝猫騙し〟二連発なんてのは、不意打ち闇討ち騙し討ちを身上とする、あのタイムボカンシリーズドロンボー一味を崇拝するアタシにはもうたまりません。

かつては小兵舞の海関などが時折見せた技ですが、印象深いのは、大関だった三重の海関が、当時絶対的強さを誇った横綱北の湖関との一戦で放った〝猫騙し〟です。

猫ではない横綱北の湖関はそれに騙されることなく、というよりは全く気づかなかったと言ったほうがいいかもしれませんが、大関を一蹴しました。

 

今や相撲協会の理事長であるその北の湖親方は、〝猫騙し〟を使った横綱白鵬関に苦言を呈していますが、今場所、白鵬関は〝櫓投げ〟という、これも珍しい技で勝っています。

その他、白鵬関は〝呼び戻し〟別名〝仏壇返し〟という大技も体得しています。

〝仏壇返し〟〝櫓投げ〟〝猫騙し〟と、白鵬関は横綱として、実は大相撲の技の継承、存続を図っているのではないかとも思えます。

 

もしそうだとするなら、やはり舞の海関が見せた〝三所攻め〟なんてのはもちろん、キン肉マンに登場する相撲超人ウルフマンの決め技〝合掌捻り〟とか、仮面ライダーの必殺技〝きりもみシュート〟とか、破裏拳ポリマーの〝反動三段蹴り〟なんて技も継承して土俵で見せてもらうと、もっともっと楽しくなるのではないかと……