長嶋茂雄終身名誉監督の道徳には載らない言葉

プロ野球、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督が、来年4月から小学校5年生の道徳の教科書(教育出版社)に登場するそうです。

 

選手としても監督としても実績のある長嶋さんは、病気から奇跡の復活を果たした方でもあり、日本中に知らない人はないような感覚をお持ちの方もおられるかと思いますが、やはりマスコミの露出度の影響か、最近の若い人には知られていないようにも感じます。

 

ただ、知らなくても、この長嶋茂雄終身名誉監督の影響を受けている若い人は少なくないかもしれません。

 

たとえば、監督としてシーズン開幕前のインタビューで、長嶋さんはよく、

「優勝という二文字を目指して……」

と答えていらっしゃいましたが、意気込みを問われて、これを口にするスポーツ選手は今でも少なくないように思います。

 

たぶん、ここから、

「野球というスポーツを通して……」

とか、

「税金というお金を通して……」

とか、

「なんちゃらというほにゃららをどがちゃかして……」

という表現を使う若い人がおられるように思います。

 

長嶋茂雄終身名誉監督が道徳の教科書に掲載されるなら、いずれはメジャーリーガーのイチロー選手にも同様の可能性があるかと思います。

でも、イチロー選手の口から、

「優勝という二文字」

が出たという話を、アタクシ、寡聞にして存じ上げませんが、独自のイチロー語録は、何冊も出版されています。

 

長嶋茂雄終身名誉監督イチロー選手、あるいは日めくりカレンダーに語録が掲載されている元テニスプレーヤーの松岡修造さん、さらには、世界のトップクラスプレーヤー錦織圭選手、スポーツにかぎらず、昨今は田中角栄元首相など、独自の哲学を独自の言葉で語っていらっしゃいます。

 

そうした方の言葉を、道徳ではなく、国語の教科書に採用してもらえると、〝国語という教科〟の新たな発展が望めるのではないかと思いますが、いかがでしょうか……