世界最強の棋士と謳われる柯潔九段が、アメリカグーグルグループのディープワインド社製の囲碁AI〈AlPha Go〉に破れたニュースは、柯九段の母国、中郷では報道されなかったほどのインパクトがあったようです。
ただ、人工知能というのは、過去のあらゆるデータをインプットした中から、最も適した手を打つものですから、プロであればあるほど、太刀打ちできないのではないかと思います。
いっそ、まったくの素人が対戦するほうが、勝機もあるのではないかと考えて、先日、工学系の先生にその質問をぶつけてみましたところ、
「そうですよ」
と、肯定してくださいました。
「ただ、まあ、最後はAIが勝つでしょうけれど……」
人気ブロガー、ちきりんさんの『自分の頭で考えよう』(ダイヤモンド社)には、40年前と比べてプロ野球ファンの高齢化を示すグラフを見て、日本のプロ野球をよく知っている人は、
「プロ野球の未来は暗い」
と評したのに対して、まったく日本のプロ野球をまったく知らない、ある外国人は、
「プロ野球の未来は明るい」
と答えたと記されています。
なぜなら、高齢者になると、お金と時間ができて、プロ野球にお金も時間も費やせるからだそうです。
視点を変えろと、よく言われますが、その世界にどっぷり浸かっていると、どれだけ視点を変えたつもりになっていても、既成概念の枠を外した発想はでてきません。
だったら、最初から枠など知らない素人に任せると、面白い発想が出てきそうなものですが、世の中、そこまで踏み切れる企業や団体などは、そうはありません。
もしかすると、視点を変えろといいながら、枠を外したくないというのが、根底にあるのではないかと思います。
ほんとうに、既成概念という枠を取り払って、新たな発想を求めるなら、
「素人みたいな仕事、するなよ!」
と言われてきた、アタシをどこか雇ってくれませんかね……