似非ムードメーカー

ムードメーカーと呼ばれる人の中には、実はその場を支配しようという思惑を持っている輩がいる、もしくは無意識にそういう状況を作り出している、似非ムードメーカーがいるのではないかと思います。

 

たとえば、上司の眼が少し離れると、すぐに自虐ネタなんかを交えながら近隣の同僚に笑いを振りまいている、てなお方でございます。

上司がいたときの緊張感を毎度和らげてくれますから、御近所の皆様も、それについ追従してしまう習慣が身についてしまっていて、似非ムードメーカーの作るムードを壊すことができなくなっています。

そんなことをすると、自分だけなんだか気まずくなるのではないかという虞れも無意識にあって、実はそれで仕事に対する自分の集中力と時間を奪われていることにみんなが気づいていない、つまり、その時間と空間を支配されている、たとえ気づいていたとしても、どうにも指摘や注意ができない空気が出来上がってしまっている……

 

ムードメーカーを自認するそいつも、実はその事実に気づいていないのかもしれませんが、その状態は、決して良好な人間関係が維持されている状態ではないというケースがあることに、アタクシ、最近、気がつきました。

 

このことを、例によって例の友人に語りましたところ、

「やっと気がついたようだね。自分のことだと」

「いや、自分のことだとは……」