《どろろの歌》にノーベル賞を……

歌の冒頭やサビの部分に、

「ラララ……🎶」

てな言葉が入る歌はたくさんあります。

 

由紀さおりさんの『夜明けのスキャット』(作詞・山上路夫先生 作曲・いずみたく先生)は、ほとんど、

「ルールルルー🎶」

で、山本リンダさんの『狙いうち』(作詞・阿久悠先生 作曲・都倉俊一先生)の歌い出しが、

「ウララーウララー🎶」

というのは、有名です。

 

特に意味のないように見えて、途中からその意味が見えてくるのが、『どろろの歌』(歌・藤田淑子さん 作詞・鈴木良武先生 作曲・冨田勲先生)です。

手塚治虫先生の名作『どろろ』がアニメ化されたときの主題歌で、歌い出しが、

「ホゲホゲタラタラホゲタラポンー🎶」

と、やはり意味不明かと思わせておいて、

「お前らみんなホゲタラだ🎶」

と、ホゲタラが何を表しているのか、という歌詞が出てきます。

 

《ホゲタラ》という言葉は、辞書にはありません。

〈帆桁〉あるいは〈頰桁〉で,〈ホゲタ〉ならあります。

「頰桁をたたく」

という表現はあるそうですが、

「お前らみんなホゲタラだ!」

という使い方はありません。

 

作詞者の鈴木良武先生がどのような方か存じ上げませんが、物凄い発想される方だと,最近,カラオケで『どろろの歌』を歌いながら、三嘆久しくしております。

 

また、

《ホゲタラ》

という言葉だけではなく、『どろろ』という作品世界をしっかり表現しているという意味でも,それが実は現代社会にも通用すると言う点でも、名曲ではないかと思います。

 

「国民のため……」

「顧客のため……」

「弱者のため……」

てなことを言いながら,

「とぼけちゃいけねえ、知ってるぜ、お前らみんなホゲタラだ!」

なんてところも多々あるのではないかと思います。

 

そう言う意味でも、この『どろろの歌』はノーベル賞級の研究にも関わらず注目されない研究者のごとき歌かと思います。

そんなことも合わせて考えますと,世の中、本当にホゲタラな奴らが……

 

え?

(とぼけちゃいけねえ、知ってるぜ。いちばんのホゲタラはオマエだ!)