『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題』(ジョン・ファーンドン氏 訳・小田島恒志氏 小田島則子氏 河出文庫)には、
《歴史は次の戦争をとめ得るでしょうか?》
なんて質問もあります。
東洋的な
《温故知新》
を思い浮かべ、性善説と人類の進歩を信じて疑わない方は、
「歴史から戦争の愚かさを学んだ人間は……」
なんて正論みたいなことをおっしゃるのではないかと思いますが、本書では、君主論で知られるイタリアの政治思想家マキャベリの、
〈未来を予見したいものは過去を訪ねるべきだ。なぜなら、人のすることは、常に昔起こったことと似ているから。結局、人の世を創るのは今日まで生きてきて、これからも生きる人間であり、同じ情熱によって動かされているのだから結果も必ず同じになる〉
という言葉をこの項の最後に持ってきています。
これは、つまり、
《過去は次の失敗をとめ得るでしょうか?》
という自問の答と等しいと考えられるわけで、とどのつまりは、
〈失敗を重ねた過去から、アタクシが次の失敗をとめ得ることはできない〉
ということになるんでしょうね……