夜桜一夜

昨夜、久しぶりに中学高校と一緒だった友人と会いました。

 

どこに飲みにいくにも、今日は一杯だろうというので、一つ夜桜見物としゃれこもうやないかと、コンビニエンスストアーで飲料と食べ物を買って、外にあるテーブルを囲んで、

「こないだの同窓会はどうやった?」

「誰それは他所のお姉ちゃんと懇ろになったんが嫁さんに知られて離婚して……」

「そういうたら、あの頃お世話になったあの人も他所のお姉ちゃんと懇ろになったんがスキャンダルになって、田舎に引っ込んだらしい……」

てな話から、

「皆、お姉ちゃんにも甘いけれど、脇も甘いんや」

なんてことを友人は言いいながら、それでも、

「田舎に引っ込んだあの人のところへ行こうと思うてるんや」

と言いましたから、

「そしたら、よそのお姉ちゃんとそんなことになったことがない君より、よそのお姉ちゃんと懇ろになって離婚したあいつを連れて行く方がええんやないか」

と提案しましたら、

「それええなあ」

と賛同してくれました。

 

でも、あたくしが、

「それにしてもなんでみんなそないにお姉ちゃんにモテるんや。わしゃ、どんだけ努力してもあかんのに……」

とつぶやきましたら、

「ちょっと寒うなってきたな」

お〜い、わしゃほったらかしか……

 

坂の斜面に沿って雪崩のように咲き誇る桜を見上げながら、旧交を温めるのも悪くないなと……

 

え?

(夜桜見ながらする話やない!)

 

桜は咲いても、春とは縁なき一夜でございました……