三題噺・桜姫伝説

昨日、伝楽亭で三題噺を飛び入りでいたしました。

 

いただいたお題は、

〈桜の木〉〈クロス〉〈贔屓の引き倒し〉

 

山寺の山桜の花見に訪れた喜六と清八が、〈桜の木〉を見上げて、

清・これだけ見事に咲いてるのに花見客がいてへんのは、山の中で世間に知られてない っちゅうこともあるけれど、花も愛でずに酒飲んで騒いだあげく桜の枝を折るような もんを中に入れへんからや。日本人は桜が好きや言いながら、花見や言うて枝を折っ て帰るなんて、〈贔屓の引き倒し〉や。わしらみたいに、てぶらで来て、花を愛でる のがええんや。ほれ、あの桜の枝が〈クロス〉してるところなんかええやろ。

てなことでいっぺんに三つのお題を入れてから、

清・義経と一緒になった、あの静御前と当時人気を二分した白拍子が、頼朝の家来に言 い寄られ、「こちらへ参れ」と引き倒されて弾みで死んでしもた。言うたら〈贔屓の 引き倒し〉や。その白拍子の亡骸を埋めたらこの〈桜の木〉が生えてきた。

という伝説を語って、その伝説をモチーフに作られた歌をアイドルグループが歌って踊ってヒットしたてな話になって、

清・あの歌がよかったな。あなたの視線と私の気持ちが〈クロス〉する〜🎶

喜・けど、リーダーが引退するっちゅことになったけど、やっぱりしんどかったんやろ な。

清・いや、あれは熱狂的なファンがストーカーになって、家の前で無理矢理押し倒した からや。言うたら、これも〈贔屓の引き倒し〉やな。

喜・いや、贔屓の押し倒しや。

                                   デンデン