京都市長の言語道断!

京都市のアニメーション会社が放火されて33人が亡くなった事件を、京都市長が選挙の応援演説に関連づけて、

「火事は3分、5分が大事。選挙は最後の一日二日で逆転できる」

と発言し、不適切な発言だったとして陳謝したという報道がありました。

 

アタクシども、落語に関わる者は、一見、関わりのないように見える二つを関係付ける技術を身に付けております。

 

新聞のコラムも、書き出しで示したことを本題に関連づける手法を駆使して書かれています。

 

それを聞いたり読んだりして、「なるほど、うまい!」とお客様や読者が膝を叩いてくださる。

そこに話し手書き手の喜びが生まれるわけでございますが、そればかりを追いかけて関連づける二つが果たしてその場に適しているか否かを忘れると、称賛どころか、非難を浴びることになります。

 

人の命が失われた事件を、他の何かに関連づけて喝采を浴びようなどというのは、アタクシどもからいたしましても、言語道断であります。

 

言葉を遣う者なればこそ、肝に銘じておかなければならないことかと思います。

 

京都のアニメーション会社に放火した男は捕まり、これからその動機や背景が明らかになるかと思います。

お亡くなりになった方の無念も、またそのご家族の深い悲しみも、私の想像をはるかに超えたところにあるかと思います。

ただただ、哀悼の意を捧げるばかりです。

 

自分が治安を護っていなければならない立場にある京都市長には、

「不適切発言を陳謝します」

などという陳腐な決まり文句を持ち出すのではなく、〝己の言葉〟で心の底の底から謝罪をするべきではないかと思います。

 

ずいぶん出過ぎた言いようをいたしましたが、言葉に生きる者の末座におります私の、ささやかな矜持でございます。

どうか、御容赦ください。