サワコの朝から〜林修先生の知的な人生論〜

今朝の《サワコの朝》のゲストは、予備校講師の林修先生でした。

 

阿川さんの、

「いつ呼ぶの、今日でしょ」

から始まった番組に登場した林先生は、小学生活を『源氏総覧』に費やし、それによって知の整理術を会得されたというお話でした。

だから、6年生の秋から始めた中学受験勉強も大学受験もうまくいったそうです。

 

もう一つ、予備校講師として次に呼んでもらうために、また、テレビのプロデューサーから次に声をかけてもらうためにどうするか、という戦略も練られるそうで、こうしたことから、

「戦略の林」

と阿川さんは称されていました。

 

教えるにしても次のオファーにつなげるためにも、入試の過去問のように相手を研究、整理して、

《相手に伝わる言葉を探す》

という、実にわかりやすくまとめられていました。

 

恒例の、今も心に響く曲について林先生は、御自分の学生時代の嫌な思い出を振り返りながら、

《人は、過去を今の色に染める》

とおっしゃって、

「だから、人生は今でしょ」

 

アタシが捻り出す下手なオチよりも、はるかに知的なオチでございました。さわこの

県議の嫌疑〜政活費〜

岡山県の県会議員が、2年間で1200冊の書籍を政活費130万円で購入したという報道がありました。

 

70歳目前で、1年間に600冊、毎月50冊を読破している計算になるこの県議は、希代の読書家といっていいかと思いますが、もしそうだとすると、いったいいつ県会議員としての仕事をしているのだろうかと、浅学非才のアタクシの頭の中は、それだけの書籍を躊躇なく買え、なお、その読書量をうらやましく思う反面、多分、これまでもそうやって大量の書籍を購入しているんだろうなと想像し、そんなに大量の書籍をどこに保管しているのか、やっぱりホンマに買うてるんかどうかわからんぞ、ひょっとしたらろくに読みもせずに片っ端から古本屋に売り飛ばしているんやないか…… てな疑念が新しく掘り当てた温泉のように次から次へと湧出して止まりません。

 

報じられた書籍のタイトルを眺めてみますと、

《政治家の失言・放言大全》

なんかは、確かに必要だろうとは思いますが、

司馬遼太郎全集》

をお読みになっているなら、

桂米朝全集》

も読むべきではないかと思い、

《定年後に読みたい100冊》

なんて70前の県議に必要な本なのかと不審を抱きながらも、

《読書をお金に換える技術》

なら、あんたが実践しているんやおまへんか〜、とツッコミを入れると同時に、いっそ、

《読書を政活費に換える技術》

とか、

《政活費を生活費に換える凄技》

とか、

《政活費捻出大全》

てな本を、兵庫県の号泣議員や元某東京都知事なんかの事例を交えながら書くと、この岡山の県議先生は、疑念を抱かれるような書籍の大量購入なんかしなくても、結構な収入が得られるのではないかと、下卑た発想しかできなアタクシはついつい思ってしまいますが、どんなもんでございませう……

2017流行語大賞はこれで決まりか?

来月1日に発表される、2017ユーキャン新語・流行語大賞に、

〈忖度〉〈◯◯ファースト〉〈働き方改革〉〈ちーがーうーだーろー!〉〈プレイアムフライデー〉〈ポスト真実〉〈空前絶後の〉〈フェイクニュース〉など、ノミネートされた30の言葉が発表されました。

 

アタクシ、個人的には〈ちーがーうーだーろー!〉が大賞を受賞するのではないかと思います。

 

「総理の意向を〈忖度〉いたしまして……」

「それは〈ちーがーうーだーろー!〉」

 

「まず、お役人の〈働き方改革〉から始めたいと……」

「それは〈ちーがーうーだーろー!〉」

 

「まずは、お役所が率先して〈プレミアムフライデー〉を……」

「それは〈ちーがーうーだーろー!〉」

 

「え? それが〈ポストカード真実〉?」

「〈ちーがーうーだーろー!〉」

 

「それこそ〈空前絶後の〉……」

「〈ちーがーうーだーろー!〉」

 

「さっきのニュースは、〈フェイクニュース〉でした」

「そうでしょ、やっぱり〈ちーがーったーだーろー?〉」

「それはちょっと使い方が〈ちーがーうーだーろー!〉」

 

てな具合に使うことができますから、今年の流行語大賞はこれで決まりでしょう。

「〈ちーがーうーだーろー!〉」

                                   デンデン

ハラスメントかバイオレンスか……

山形大学xEV飯野センターで、センター長によるパワーハラスメントが報じられています。

『マジックぐらい買っとけ!! 役立たず』

というセンター長が書いたと思しきメモも掲載されているいるようで、他に、

「はさみをなげつけられた」

「退職で生じるセンターの損失の穴埋めのために多額の寄附を要求された」

「十人ぐらい辞めている」

といった証言もあるようです。

山形大学では、このセンター長が報復も辞さない人物であるこという認識もあるようですが、役立たずより害を及ぼす人間の方を、なんとかすべきではないかと、報道から思いましたが、いかがでしょうか……

 

また、世間ではこうしたことにすぐにハラスメントのスタンプを押すようで、

「それ、パワハラですよ」

「それ、セクハラですよ」

という反撃材料にもなっているようです。

それはそれは悪いことではないと思いますが、逆に、そうしたことが言えるうちはまだ深刻ではない、軽いハラスメントかと思います。

おかげで、今回、報じられているケースもハラスメントというスタンプが押されているのか思いますが、軽いノリで、

「それって、パワハラですよ」

と言えない状況で、ハラスメントではなく、明らかにバイオレンス、暴力ではないかと思います。 

 

この際、程度によって、ハラスメントとバイオレンスを分けた方がいいように思います。

 

《いじめは犯罪です》

という認識もようやく世間に認知されて警察も動くようになっているようですから、十把一絡げで〈嫌がらせ〉と称するのではなく、軽く言えないようなケースには、明確に〈暴力〉と断じるべきでは……

 

え?

(そんなことを言うて、困るのはオマエやないのか……)

アタシの場合、その元になるパワーがございませんので……

                                   デンデン

教科書の隙間を埋める先生

江戸時代、出羽の国(山形県)の農民だった最上徳内さんは、蝦夷地(北海道)の探検家として教科書に掲載されています。

徳内さんは、蝦夷でロシアの船が出没していることを知って、当時、蝦夷地を領地としていた松前藩主に、ロシアに対する建策をされたそうですが、出羽の国の農民だった徳内さんが、どうして蝦夷に興味を持ったのかということを、社会の先生に教わりました。

 

ラッコの皮が、狩猟者であるアイヌの人々から不当に安価に買われて販売されていることを知って、それで蝦夷に渡ったそうです。

現代なら、コーヒーのフェアトレードみたいなものですか」

と申しますと、

「まさにそのとおり」

とのお言葉を頂戴いたしました。

 

ついでに、アイヌ民族には、いくつかの部族が存在していたようで、日本人と仲良くしようという部族もあれば、そうでない部族もあったそうです。

 

さらに、その徳内さんがお医者さんになっていたというところから、江戸時代も末期になると、わざわざ長崎まで行かなくても、江戸で勉強できたという話に発展し、実に面白い時間を過ごすことができました。

 

歴史の隙間を埋めるのが歴史作家なら、教科書の隙間を埋めるのが学校の先生のように思いました。

 

あとは、誰がアタクシの心の隙間を埋めてくれるのかと……

 

ボカ、ドス、ゴン!

 

サザエさん問題

日曜日午後6:30からフジテレビ系で放送されている『サザエさん』(作者・故長谷川町子先生)のスポンサーを東芝が降りるという報道があって、次のスポンサーが見つかるかどうかが気になっていたところでありますが、『サザエさん』を打ち切れという意見を述べられている、どこぞの大学の先生がいらっしゃるそうです。

 

「家族の枠組みが変わりつつある現代」

において、

「世間とずれいる」

ということなんだそうですが、そんなことを考えてアニメーションを見ている人は、どれほどいらっしゃるのでしょうか……

 

あるいは、『サザエさん症候群』なるものがあって、サザエさんが始まると翌日の月曜からの仕事を思って鬱状態になる人がいらっしゃるというお話も、以前より耳にしておりますが、それなら同じ長寿番組の『笑点』(読売テレビ)でも同じではないかと思いますし、明日から仕事だと意識するのがいやなら、見なければいいとも思っております。

 

どうしてこうも『サザエさん』を陥れようとする考えが出てくるのか、おそらくは、幸せなサザエさん一家に嫉妬する者の仕業ではないかと、アタクシ、密かに考えておりますが、いかがでございましょうか……

 

スポンサーや視聴率の問題でいつ打ち切られても文句を言うような真似はいたしませんが、

「『サザエさんは魚をくわえて逃げる猫を追いかけました』。さあ、魚をくわえているのは、猫かサザエさんか?」

という持ちネタの一つがなくなってしまうことを、アタクシ、懼れるばかりでございまして……

 

ボカ、ドス、ゴン!

 

クボタとゴルゴの〝だから〟と〝しかし〟

農機製造会社クボタの最近のキャッチフレーズは、

《壁がある。だから、行く。》

です。

 

通常なら、

「壁がある。けれども、行く」

という、〝だから〟という順接の接続詞を使うのではなく、〝かえれども〟や〝しかし〟とうった逆接の接続詞を用いるところかと思います。

 

こうしたキャッチフレーズに限らず、逆接を順接に変えて表現する技法は昔からあります。

「そのプロジェクトは確かに面白い。〝しかし〟、どうなるか見通しがつかないものに資金も人も回せない」

「どうなるか見通しのつかない企画〝だから〟、現状を打破出来るのではないか」

てな具合に、まさに逆説的に順接を用いる人は少なくないのではないかと思います。

 

クボタのキャッチフレーズが、もし逆接だったら、困難にも負けずに取り組む姿勢が出るかもしれませんが、それでは当たり前で面白く在りません。

そこを順接にすると、面白がっている雰囲気が醸し出すことができます。

 

困難な状況になればなるほど、

「面白くなってきやがったぜ」

というルパン三世(作・モンキーパンチさん)と同じイメージを見た人に与えることができるかと思います。

 

ただ、さいとう・たかを先生のゴルゴ13の台詞の中には、〝しかし〟も〝だから〟も出てこないように思います。

本日、6日の日めくりカレンダーのお言葉は、

《俺に仕事を依頼するのに〝大義名分〟はいらない》

ですから、一般に大義名分や理由を述べるために用いられる、〝だから〟や〝しかし〟といった接続詞はゴルゴ13には必要がないということになります。

使うときは、感情的にまだ何かを述べようとする相手の口を封じるために吐く、 

「〝だから〟、何だ」

ぐらいかと思います。

 

〝しかし〟を〝だから〟に置き替える手法も悪くありませんが、ゴルゴ13のようにまったく使わない、あるいは、

「〝だから〟、何だ」

てな言葉を用いるとかっこいいかと思い、先日、アタクシも使ってみました。

 

「あなたはとてもいい人よ」

「〝だから〟何だ……」

「そこは、〝だから〟じゃやなくて、〝でも〟……」