よい笑いは論理的です。
「男は女性にもてなくなる(A)と素行が改まる(B)と申します。
最近、素行が改まっております(B)円楽(C)です」
と、先代の三遊亭円楽師がされた自己紹介は、聞いておられるお客様が、
「円楽さん(C)は、女性にもてていない(A)」
と察してお笑いになる。
つまり、
「[A=B][B=C]の場合、[A=C]である」
という三段論法になっているというお話は、このブログのどこかで申し上げたように思います。
先日、
「近頃、急に計算能力が落ちました」
と、理科を教えておられる先生が嘆いておられましたので、
「スポーツ選手と同じで、能力が高い人ほど、年齢を重ねたり体力が衰えたりすることによって、その能力の低下を顕著に感じるということですね」
「そうなんですか?」
「ええ、アタシなんか、計算能力の低下なんて、ほとんど感じません」
爆笑でした。
これは、[能力が高い]をAとして、[能力の低下を感じる」をBとし、Cを[アタシ]とした場合、[A=B]は、能力の高い人はその能力の低下を感じるということで、[B=C]は、その能力の低下をアタシが感じるということになり、[A=C]つまり、アタシの能力は高い……?
どうもアタシは論理的ではないようです。