今回の外務省のホームページに掲載された劇画に、ゴルゴ13が直接姿を現すことはありませんでした。
社員の安否を二の次に考える、テロの被害に遭った企業のトップに電話で、
「論語の厩焚けたりを知っているか」
とゴルゴ13が警告します。
ただ、〈厩火事〉は落語のネタにもありまして、御存知の方も少なくないと思います。
自分の心配をしてくれたと感激する嫁はんに、亭主は、
「オマエがいてへんかったら、明日から、遊んで暮らせんようになる」
この噺を知っていたか否かはわかりませんが、その企業のトップはゴルゴ13の電話での警告に考えを改めることはありませんでした。
でも、ゴルゴ13の放った一発の銃弾によって、社長はころっと考えを改めます。
これで、一つ、箴言が生まれます。
《論語より銃弾》
意味・人の考えを改めさせるのは、高尚な話ではなく、圧倒的な力による警告である。
もちろん、外務省のホームページに掲載された、このパート9が、そのまま故事となります。
「どんなに説得しても考えを変えない社長に、どう言えばいいだろう……」
「やっぱり、《論語より銃弾》しかあるまい」
あるいは、
「どんなに説得しても考えを変えない社長に、どない言うたらええやろ……」
「落語〈厩火事〉を聞かせたらええんやないか」
「なんでや」
「社員がいてへんかったら、明日から、遊んで暮らせんようになる」
デンデン