踏む言葉と踏まなくなった言葉

踏む言葉でよく耳にするのが、

《地雷を踏む》

です。

〈触れてはいけないものに触れること〉

という意味合いで使われているようですが、昔から在るお賭場で言うなら、

《逆鱗に触れる》

と似たような意味かと思います。

 

〈非常に危険な状況に身を置く〉

という意味の、

《薄氷を踏む》

は現代でも使われているようです。

 

〈非常に危険なことをする〉

という意味の、

《虎の尾を踏む》

という表現は、最近お目にかかる機会がめっきり少なくなったように思います。

 

〈先人と同じ失敗を繰り返す〉

ことを表す、

《(同じ)轍を踏む》

にも、御無沙汰しているように思います。

 

それでも、

《二の足を踏む》

は、まだまだ現役でがんばっているようです。

 

いずれにしろ、〝踏む〟には危険が伴うようですが、それらとは別に、

《お百度を踏む》

ことによって、望みをかなえることもできるのでは、と願ってはいますが、さてこの言葉も現役から退きつつあるように感じます。

 

これまで踏んばっていた言葉が踏まなくなってしまうと……

 

え?

(《踏んだり蹴ったり》でオチにしようと思うてるやろ!)