添削したいプロジェクト7~[ボランティア活動]についてあなたの考えを述べなさい~

 「ボランティア活動」について、あなたの考えを述べてください」という課題に対して書かれた答案を、それぞれ添削して合否を判定してください」てなことで、今回は、A、B、C、D、と答案を四つもでっち上げてしまいました!

 

答案A

 ボランティア活動は、個人の自発的な意思による自主活動で、社会貢献によって自己実現ができる活動で、ぼくも高校の部活でグループに分かれて他の部員と朝、学校のまわりのごみ拾いをしたことがある。そのとき、顧問の先生から言われて「近所の人に会ったら、おはようございますとあいさつしなさい」と言われたけれど、はずかしくてなかなかできなかった。でも、朝の空気はとても気持ちよくて、ボランティア活動はいいことだと思いました。

 なので、ボランティア活動は、みんなもっと積極的に参加した方がいいと思うし、ぼくも社会貢献ができてよかったと思います。

 

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 文末、「ある」という常体と「ます」という敬体が混在している。常体、もしくはどちらかに統一する。

 第一文が長すぎる。「~自主活動で~」「~自己実現できる活動で~」と「で」でつないでいるところを、「~実現できる活動だ。」と、一度切って二文に分ける。その上で、読み手には分かっている、第一文は削除する。

 第二文「先生から言われて~と言われたけれど」は主語と述語の関係がねじれている。「先生から言われて」の「言われて」は削除する。

 最後の一文の「なので」は「だから」とする。

 また、この答案Aは、体験に関する感想を述べた作文で、課題に応えた文章になっていない。

 

答案B

 ボランティア活動と聞いて思い出した人がいた。昔、行方不明の子どもを助け出したスーパーボランティアがいて、その人は、そうした事件で行方不明になった子どもを見つけ出すだけでなく、どこかで災害があると駆けつけて、そうでなくても、毎日、何かのボランティア活動をしている人がいた。私はその人をテレビで見てすごいと思った。なぜなら、自分のことを一番に考えるのではなく、いつも誰かの役に立つことを考えて行動しているからだ。私もそんな人になりたいと思っている。でも、そんなスーパーボランティアができる人は、時間とお金に余裕がある人だと思うので、私にはなれないかもしれない。

 

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 段落が分けられていない。

 第一文の後半「思い出した人がいた。」を削除して、第二文の「昔~スーパーボランティアを」と続けてから、「思い出した。」とする。

 それによって第三文となる「その人は~活動をしている人がいた。」の、主語と述語のねじれた関係を解消するために、「人がいた。」という述語を「スーパーボランティアである。」と改める。

 また、この答案Bは、例にしたスーパーボランティアの紹介にかなりの字数を割いて感想を述べただけの作文である。答案Aと同じく、課題に応えた文章になっていない。

 

答案C

 ボランティア活動は、お金を得ることを目的としない奉仕活動である。何も得することがないのに、自費で困っている人のところへ行って労力を提供するボランティア活動に、正直、私は参加したくない。なぜなら、自分の時間を大切にしたいからだ。

 しかし、ボランティア活動は社会奉仕だと言われるし、誰かが喜んでくれたら自分もうれしくなるから参加する人もいる。誰かの役に立つことがうれしい人だ。だから、ボランティア活動はそういう人に任せておけばいいと思う。

 しかし、困っている人に寄付をすることはできる。できることを探して誰かを助けることがボランティア活動である。

 

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 読み手には分かっている、第一文のボランティア活動の説明はl削除する。

 第二文「自費で困っている人に~」の「自費で」は、「行って」の前に置いて、「困っている人のところへ自費で行って~」とする。そうすると、「困っている人」の原因が、「自費」でないことが明確になる。

 また、「自分の時間を大切にしたいからボランティア活動に参加したくない」「したい人に任せればいい」といった主観的な内容の第一段落、第二段落は削除して、最後の「できることを探して誰かを助けることがボランティア活動である」という結論を中心に全体を考え直す。

 

答案D

 高校二年生のときに老人ホームに行って、ボランティア活動に参加したことがある。私の他にも、会社を定年で退職した人などが参加していた。その中に、おばあさんの車いすを押していろいろ世話をしていた男性がいた。みんなが帰る時間になって、その男性は、おばあさんが感謝の言葉を言わなかったことに怒って説教をしていた。

 確かに、少しでも世話をしてくれた人に感謝の言葉を述べるのは当たり前かもしれない。しかし、見返りを求めないのがボランティアである。それは、お金やものだけではない。ボランティア活動は、感謝の言葉さえも求めるべきではない行為である、と私は思う。

 

 さて、合否はいかに?