三題噺・五題噺は無理やろ!

実は、昨日の伝楽亭において、八景師、玄張師、かかし師と4人で三題噺に挑んだ後に、再度、三題噺で高座に上がりました。

もう着替えておりましたが、予定していたメンバーでは終演までの時間、つまり忘年会開始の時間までもたず、1時間ほど開いてしまいましたので、普段着のまま高座に上がって、

「遊びでございます。即興で三題噺をいたします」

と無謀を承知で試みましたところ、

『トリプルスリー』『LED』『爆買い』『猿』『伝楽亭』

と、五つもお題が出されました。

 

しばらくは先ほどの三題噺をどうこしらえたのかといった話などいたしましたが、さすがにしゃべりながら、五題噺などすぐにはできません……

 

とにかく、落語のお約束から始めました。

 

清・おい。どこへ行くんや。

喜・ああ、これから伝楽亭に落語、聞きに行くんや。

 

もう、これだけで拍手をいただきましたので、あとを続けるしかありません。

 

清・そんなもん聞かんと、買い物に行かへんか。宝くじ、当たったさかい、ほしいもん、買いにいくんや。爆買いや。

喜・へえ、爆買いて、なに、買うんや。

清・LEDや。家の照明、変えて、それから来年の干支の猿の置物を買うんや。

 

ここまでで、『LED』『爆買い』『猿』『伝楽亭』の四つは出せましたが、難しいのが『トリプルスリー』です。

苦し紛れで、

 

清・LEDと猿の置物と饅頭が、中国人の爆買いのトリプルスリーや……」

 

これで、お客さんには納得してもらいましたが、あまりにいい加減です。

少し、改めます。

 

清・そんなもん聞かんと、買い物に行かへんか。宝くじ、当たったさかい、ほしいもん、買いにいくんや。爆買いや。

喜・へえ、爆買いて、なに、買うんや。

清・LEDや。家の照明、変えて、それから来年の干支の猿の置物を、三つ買うんや。これで、トリプルスリーになるんや。

 

喜・え? トリプルスリー、言うたら、野球で打率3割、ホームラン30本、30盗塁のことやろ。猿の置物が三つで、なんでトリプルスリーになるんや。

清・サルのサで3が一つと数えて、その置物が三つや。

喜・ちょっと待って、それやったらダブルスリーやないか。あとの一つはどないすんねん。

清・猿のことやから、ちょっと足りへんやろ。

                                   デンデン

(やっぱり無理やろ!)