さいとうたかおさんの『ゴルゴ13』(リイドコミック)の主人公、ゴルゴ13は、誰であっても握手はしませんし、勧められても椅子に腰かけることはありません。
自分の背後に立つ者があれば、それがまったく関係のない者であっても攻撃します。
非常に要心深い人物ですが、そんな自分のことを、
「小心なだけだ」
と彼は言います。
〈小心者〉は、〈要心深い人物〉だと言い換えることができます。
他に〈小心者〉と似ているのが〈臆病者〉という言葉です。
ただ、ゴルゴ13が自ら〈小心者〉と言っても異論を唱える人はいませんが、ゴルゴ13を〈臆病者〉だと思っている人はいません。
どうやら〈小心者〉は、二つに分けられるようです。
〈要心深い人物〉と〈臆病者〉です。
『君子危うきに近寄らず』
と言えば、〈要心深い人物〉になりますが、
『義を見てせざるは勇無きなり』
となると、〈臆病者〉ということになります。
この話をした上で、例の友人に、
「ボクは〈小心者〉でね」
と言ったところ、
「〈臆病者〉の自分を〈小心者〉と言うのは〈卑怯者〉のやることだ」