作家、佐藤愛子さんの御著書には、目を引かれます。
たとえば、
『九十歳。何がめでたい』(小学館)
なんてタイトルは、そのままアタクシ、腹で思うておりましても口には出さなかった言葉でございました。
長寿がめでたいとされる世の中で、
「長生きのどこがめでたい……」
とお考えの方は、実は少なくないのではないかと思います。
以前、ある坊さんが、お年寄りに、
「長生きできていいですね」
と言ったところ、
「あんたにそれがわかるのか」
と返された話を聞いたことがあります。
アタクシ自身も、そんなに長生きしなくてもいい、と思っております。
ただ、長く生きるよりも、これも佐藤愛子さんの御著書のタイトルのように、
『ああ面白かったと言って死にたい』(海竜社)
てな人生でありたいな、とも思っております。
そんな話を例の友人にいたしましたら、珍しく感心されました。
「買って読んでもいないのに、タイトルだけでよくもまあ、それらしく話ができるなぁ……」
え?
(そんなことより問題は、どないしたら「ああ面白かった」と言うて死ねるかやろ……)
え?
(「今日も面白かった」というブログやないなあ……)
え?
(月曜の朝からこんな話をされてもなあ……)
え?
(オチに困ってるやろ)
え?
(最初、『藍子さん』になってたぞ!)