越後屋、お主もワルよのぉ……

週刊文春文藝春秋)が、『表の顔、裏の顔』をテーマにした小説大賞の作品を募集しています。

週刊文春は、『人間への興味』をテーマに掲げているようですが、週刊新潮と競って、著名人の裏の顔を次から次へと暴いてくれています。

その文春が求める小説ですから、生半可な作品では、

「事実は小説より奇なり」

に優ることはできないかと思います。

 

週刊漫画ゴラク日本文芸社)では、『お主もワルよのぉ』(作・村田青さん 画・横川直史さん)が新しく連載されましたが、これがまあ、そのまま越後屋という商人の〈表の顔〉と〈裏の顔〉を描いた作品で、善人の顔をした悪ではあるけれど、悪をやっつけるというストーリー展開になっているようです。

 

勧善懲悪が日本の伝統であったのは昔話で、池波正太郎先生の『仕掛人』の梅安さん、テレビの『必殺仕事人』シリーズ以後、裏と表の顔を持つ善と悪の物語に人気が集まっているように感じます。

 

とはいえ、実際には週刊誌などによって、裏の顔もすぐに暴かれてしまう御時世になってしまいましたが、

「お主もワルよのぉ」

と言うよりは、ちょいと麻知恵の、

「お主もズルよのぉ」

てな程度の御仁が、マスコミを騒がせているようにも思います。