今年の原稿発見ニュース〜横溝正史先生・太宰治先生・菊池寛先生・司馬遼太郎先生〜

横溝正史先生の諸説『雪割草』の原稿が発見されたと報じられました。

有名な金田一耕助の原型と思われる人物が登場する小説だそうで、来年2月に戎光祥社から出版されるそうです。

 

今年は、5月下旬に、司馬遼太郎先生の『竜馬がゆく』と『坂の上の雲』の原稿が古本市場に出て発見されたというニュースが6月にあり、7月には、菊池寛先生の『妖妻記』という怪奇小説の原稿が発見され、10月には、太宰治先生の『斜陽』の原稿4枚が発見されたと報じられました。

 

こうした原稿発見のニュースは、文学の世界では喜ばしいことかと思いますが、何でもワープロで書かれるようになり、今やパソコン主流となってデジタルメモリー化が当たり前となった現代では、作者直筆の原稿など存在しなくなります。

おそらく、不明だった原稿が発見された場合、直筆か否かという筆跡鑑定が行われるかと思いますが、パソコンによって書かれた原稿に筆跡鑑定は通用しません。

もちろん、筆跡以外のもろもろの状況から、たとえばそのメモリーに残されていた作品が本人の著作かどうかということは判断できるかと思います。

 

でも、大量に印刷されたサインよりも直筆のほうが価値は高く、いくらメモリーが本物だと証明されたからと言って、ありがたみはやっぱり直筆原稿には及ばないのではないかと思います。

 

そう考えると、アタクシも直筆で原稿を書いておくと、後日、発見されたときに……

 

え?

(作家としてそれなりの作品を残してから言え!)