「この仲裁案で、今回は手を打ってもらうことにした」
「なるほど、これなら、向こうも振り上げた拳がおろせそうですね」
「まあ、その辺が、落としどころだろう」
振り上げた拳がおろせる落とし所
すると、若いスタッフが横から
「いや、それでは筋が通りません」
「わかってないな、お前は。正論だけでは大人の事情は収まらないんだぞ」
正論で大人の事情が収まらぬ
それがきっかけで問題が大きくなって外部から指摘され、
「大変です!監督官庁が動き出しました。どうしますか」
「しまった!……落とし穴にはまったか……」
落ち着いた落とし所に落とし穴
「どこか落とし所はないか」
「だめです」
「どうして?」
「監督官庁が振り上げたのは、拳ではなく、大鉈ですから」
大鉈を振るって落とす大人の事情
お粗末でございました。