奈良より京都の方が殺人事件が多いようです。
関西でミステリードラマの舞台に京都が選ばれるのは、日本映画発祥の地でもあり、昔から映画会社があったからですが、奈良がミステリードラマの舞台になりにくかったのは、制作者が舞台となるお寺に交渉をもちかけても、
「奈良の寺で殺人事件なんてとんでもない」
という断りがあるからだという話を聞いたことがあります。
殺生を戒める寺院としての、あるいは観光地としての奈良のお寺のイメージは大事ですが、いくら大仏様や阿修羅さんにがんばっていただきましても、観光では京都に奈良は大きく水をあけられています。
それでも、近年は映画やドラマのロケ地が観光地として脚光を浴びるというところから、奈良が舞台のミステリードラマも、ようやく見受けられるようになりました。
「時代は斬新なアイデアを求めている。生き残っていくためにも、皆には、これまでの我が社のイメージにとらわれない画期的なアイデアをどんどん出してほしい」
と、おっしゃる経営トップも多いかと思いますが……
「そうおっしゃるなら、ロザリオにもなる数珠という新商品はどないでっか?」
「キミ、どこからそんな罰当たりなアイデアが出てくるんや。あのな、うちはベビー用品や子供用のなんじゃかじゃを扱うてるメーカーやぞ。それがなんでロザリオにもなる数珠てなもんを売らなあかんねん。……却下」
「ほな、自動運転ベビーカーの開発っちゅのはどないでっか?」
「そんな危ないもんを売って、もし事故でも起きたらどないすんねん。第一、売値が高うて誰も買わへんで。……却下」
「ほな、揺りかごから棺桶までっちゅうことで、最後は棺桶としても使えるベビーベッド」
「却下!」
「けど、それがでけたら、ロザリオにもなる数珠も並べて売れるんやないかと……」
「却下!」
「ほな……」
「きゃ〜か!」