“セクシャルハラスメント”という英語が世間に浸透するにつれて、いろいろなハラスメントが登場しています。
中には“スモークハラスメント”なる言葉もあるということを知って、学生時代、タバコは吸いませんと言ったとたんに、私の顔にタバコの煙を吹きかけた嫌な先輩を思い出しました。
当時、この言葉があったら……とは思いましたが、
「先輩にたてつくんか?」
と言われれば、これも立派な“キャンパスハラスメント”か“パワーハラスメント”になるかとも思いますが、当時、そんな言葉はやっぱりありませんでした。
その他、アカハラ、モラハラ、マタハラ、果ては血液型による“ケツハラ”なる“ハラスメント”まであるそうですが、それだけ多くの“ハラスメント”があるのなら、逆に“ハラスメント”だと訴えられた人の中にも、“ハラスメント”だと言われることによって不快な思いをする人もいるのではないでしょうか。
「今のはハラスメント”です。訴えます」
「いや、嫌がらせのつもりなど毛頭ない」
「でも、私が嫌な思いをしたから、ハラスメントでしょ」
「ちょっと待て。それなら、“パワーハラスメント”だと言われて嫌な思いをしている今の私は、君に“ハラスメントハラスメント”を受けていると言えるのではないか。こっちちから訴えてやる」
傍で聞いておりますと、ハラハラします……