一昨日の三題噺では、傾きかけた小間物屋を立て直すために扇屋に商売替えをしただけではなく、店で落語会を開き、それに、実際に新春落語会の高座に上がっている、空流師、都若師、玄関師、かかし師、猿之助師、円九師に登場していただきました。事前に諸師の許諾を得ることなくでございましたが、即興の三題噺ならではの趣向で、お客様には喜んでいただけたように思います。
たとえば、演者名を見た喜六が、
「かかし、言うたら田んぼの真ん中で黙って立ってる、あのかかしか?」
と言うのへ清八が、
「立ってるときは黙ってるけど、座ったらしゃべるかかしや……」
てな具合に応じます。
まあ、無断ではございましたが、ご登場いただいた諸師は、いずれも半端なプロの噺家も裸足で逃げるという、確かな腕を持っておられる名人ばかりで人間もできておられますから、アタクシごときの噺に文句を言われる方は、いらっしゃいませんでした。
噺のマクラで、仲のよい、他の落語家の話をなさる噺家もおられますが、実際の噺の中に入れられるのは、即興の三題噺ならではとも思います。
今後、苦情がなければ、また試してみたいと思います。
え?
(苦情を言うほどのことやないけど、単なる自己満足やろ!)
(そんな目眩しを自慢する前に、ちゃんとした落語をやれ!)
(落語をなめたらあかんぞ!)
それを、苦情と言うのではないかと……