『失敗を恐れるな』
とよく言われますが、これは、エジソンが1000回以上失敗しても電球を発明したように、
『失敗は成功のもと』
『失敗は成功へのステップである』
といったイメージが、一般的にあるせいかと思われます。
それは、失敗の原因を知るということであり、また、自身を成長させ、人生の糧ともなる、ということでもあるかと思います。
今日のNHKの『インタビューここから』のゲスト、格闘家の髙田延彦さんのお話を伺って、別の意味合いもあるのではないかと思いました。
高田さんは、総合格闘技で同じ相手、ヒクソン・グレイシーに二度負けています。
一度目の敗戦は、相手のことを研究して挑んだ結果で、その敗戦をなかなか受け入れられなかったそうです。
翌年、また同じグレイシーと試合をすることになって、今度は自分のスタイルを貫いて挑んだそうですが、結果は、最初と同じ技で敗れてしまいました。
高田さんはグレイシーを、たとえば、宮大工の名人の上にいる匠よりも上の上に存在する、心技体が備わった匠、匠の中の匠、と称していました。
『失敗を恐れるな』
という言葉には、
《深く相手を、さらには己を知ることができる》
という意味があるように思いました。
これを例によって例の友人に話しましたところ、
「問題は、失敗を恐れず何事にも挑むキミが、結局、成功もしなければ己を知ることもなく、失敗を繰り返すことだよね」