薬剤師のマニュアルコミュニケーション

慢性病の検査診察を定期的に受信している友人の話です。

 

検査診察後、これも決まった薬局、複数の薬剤師が常駐するところに行って薬を購入するときに、

お薬手帳はお持ちですか」

と聞かれ、持っていないと答えると、必ず、

「お作りしましょうか」

と、毎度断わっているのに言われ、続いて、

「検査の数値は、いくらでしたか」

これに、あまりよくならない数字を述べると、お決まりの、薬を飲み忘れるな、食事はどうじゃ、適度な運動がこうじゃ、と説教を垂れられて、まるで毎度テストの点の悪いわが子に悪い点数を言わせて勉強せんかいを繰り返すようでありますから、最近はずっと不快な表情を表すようにしていたそうです。

 

たぶん、薬局のコミュニケーションマニュアルにそんな手順があるのかと思いますが、客との円滑な関係を築くためのマニュアルが、逆に客を不快にさせていることに気づかないという皮肉な結果をもたらしていることに、試験対策頼みで取得した薬剤師、もっっと言うなら、有資格者は気づかないのではないかと思います。

 

ところが、先日、ある薬剤師が、

「寒くなりましたね」

から会話を始めたので、

「本当に寒きなりました」

と応じたところ、風邪対策の話になって、

「何か、健康のためにされていることはありますか」

「いえ、健康のために何もしません」

という展開になりました。薬局で……

 

でも、周囲におられた数名の薬剤師は、このやりとりをじっと見ていたということでした。

 

「次に行くときが楽しみになった」

と言う友人に、

「キミの場合、その薬局にとって自分が不愉快な客になっていることに気づいていないだけやないのか」

と、アタクシ、言ってやりました……