エースで4番をプロ野球でも実現してみせた、日本ハムファイターズの大谷翔平選手は、アメリカメジャーリーグでも《二刀流》を見せてくれそうです。
この《二刀流》という言葉が、以前より耳目に触れる機会が増えたのは、まさに大谷翔平選手のおかげですが、フィギュアスケートで活躍が期待され、一方でテレビにも出演している本田望結さんを、
『女優との二刀流』
と表現したメデイアがありました。
日のある間は学校の教壇に立ち夕方から学習塾で教える先生であることを、《二刀流》ではなく《二足のわらじ》と、自ら称する方は少なくないように思います。
元々、《二刀流》というのは、宮本武蔵先生に代表されるように、日本の刀を左右の手に持って戦う流儀、戦術であり、《二足のわらじを履く》というのは、同時に二足のわらじが履けないように、同じ人が普段は両立する筈のできない仕事を持つことを表す言葉で、江戸時代にお上から取り締まられるべき博徒がお上の御用を務める十手を預かったことに由来するようです。
フィギュアスケートと女優と同時にこなすというのは、宮本武蔵先生や大谷翔平選手とは少し違うようにも感じますが、かと言って博徒が十手を預かるという類いのものでもないように思いますし、かつては学校が相手にしなかった塾との現代における補完関係を見れば、学校と塾で教える先生は《二刀流》の使い手と称してもいいような気もします。
要は、《二足のわらじ》より《二刀流》の方がかっこいいという点にあるように思います。
アタクシ、実は三つの仕事を掛け持ちしておりますから、《三足のわらじを履く》のではなく、さしずめ、〈ワンピース〉(作・尾田栄一郎さん 集英社 週刊少年ジャンプ)に登場するゾロのごとき、三刀流を名乗って……
ボカ! ドス! ゴン!