高座に出る〝人〟は、日常でも出ている!?

素人の落語家には、在学時に落語研究会に入っていたという人と、社会人になってからという人がいますが、さらに仕事をリタイヤして落語を始められた方がいらっしゃいます。

 

高座では〝人〟(にん)が出ると言われますが、仕事をリタイヤしてからプロの噺家さんが主催する落語教室で学んだという方にも、それは当てはまるようです。

 

いつもお世話になっている小なんさんなんかは、普段の人当たりのやわらかさや細やかな気の使いようが、緻密で端正な雰囲気を醸し出して、実に好感の持てる高座を見せてくださいます。

御出演される時には、お勤め先からも御贔屓の方が多数おいでになる、というのは、日常でもお人柄のよさが滲み出ている方だということの証ではないかと思います。

 

反対に、下手なくせに難しいネタや大きなネタを高座にかけて、名人でも気取っているかのような仕草を見せながら、途中でネタを忘れていらっしゃる方を、お見受けしました。

下手でも途中でネタを忘れても構いません。

素人なんですから、『寝床』よろしく皆さんに聞いていただいているわけですから……

でも、途中からとっても不愉快な気分になってしまいましたのは、その方の〝人〟が高座に出ていたからのように感じました。

 

きっと、勤めていた時も…… なんてことまで思ってしまいました。

 

でも、本人はそんなことにも気づかず、機嫌良く落語を語っているのでしょう。

 

え?

(他人のことは言えへんやろ!)