〈〜のための〜〉

「対話のための対話はしない」

日米首脳間で交わされた言葉は、

「実効性のないアリバイ工作的行為はしない」

という意味かと思いますが、一般にもよく遣われる表現です。

 

企業では、

〈会議のための会議〉

〈議論のための議論〉

てなことが言われて、

〈反対のための反対〉

なんてことは、既得権益を守ろうする、あるいは自己アピールに必死になっている族なんかがよくやっているようです。

 

その他、

〈説教のための説教〉

だとか、

〈恋愛のための恋愛〉

だとか、

〈ジョギングのためのジョギング〉

だとか、

〈血圧測定のための血圧測定〉

だとか、本来の主旨を忘れて何かをやっていることを〈〜という〜〉てな形で表現されているようです。

 

先日、刑務所内で、打順を決めるために喧嘩となった受刑者二人が、それがために出場停止になったという報道がありましたが、

〈試合に出るための争い〉

で試合に出られなかったという皮肉な現象は、世界のあちこちで見られる、

〈平和のための争い〉

のようにも感じました。

 

え?

(このブログも〈ブログのためのブログ〉やないんかい!)

 

失礼をばいたしました……

小惑星接近!

浅田次郎先生の短編小説の中には、地球が最期を迎える日を題材にした作品があります。

実に、潔い小説です。

 

アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機構(ESA)が、地球に小惑星が接近しているが、衝突の恐れはないと発表したいうニュースがありました。

 

恐竜が滅んだのは、小惑星の衝突による環境の変化によるという説があったように思いますが、小惑星ではなく、巨大な惑星が衝突したら、あるいは流星群が次々とぶつかって地球が蜂の巣になったら、地球上で生じているさまざまな問題は一気に解決……?

 

地球が破壊されてすべての問題が消滅するのではなく、地球の危機によって軋轢、紛争から協力へと変化するという筋書きは、SFにはよくある話かと思いますが、その後、人々がどうするのかというストーリーは、アタクシ、寡聞にして見かけないように思います。

 

これを落語にいたしますと、地球消滅の危機がなくなって、みんなまた安心して争いを始めましたなんてオチに……

 

(こら!)

浅田次郎先生の《夕映え天使》より

浅田次郎先生の短編集《夕映え天使》(新潮社)を読んでいます。

 

直木賞を受賞した《鉄道員》が代表作品として挙げられますが、《夕映え天使》に収録されている短編、いずれも心に沁みてきます。

 

短編集のタイトルにもなっております『夕映え天使』に登場する純子は、いったいどんな人生を歩んできたのだろう、と読み手に思わせる余白が見事と申しますか、鮮やかと申しますか、哀愁を感じさせてくれます。

 

『丘の上の白い家』も、嘘に塗り籠められた世の人々の、それでもどこか誠実な部分を見いだせるかもしれない、現実と真実の意味が、またなんとも切ない作品です。

 

先日、《不定期練習会》の打ち上げで、どうすれば三題噺が作れるのか、という問いかけから創作の方法に話が及び、

「三題噺ではいただいたお題が考える寄り所となるように、題材を得られるかどうかもポイントになります。それに重要なのは、自分の中にあるテーマと、物語、ストーリー、構成とキャラクターです」

なんてエラそうに語ってしまいましたが、

「要は、たくさん読むことですよね」

と言われまして、

「おっしゃるとおりでございます」

 

ですから、浅田次郎先生の御著書から、お勉強させていただいております……

 

え?

(今頃、遅い!)

 

いえいえ、勉強に遅いということはありません。

 

ただ、その成果が出るか否かというところで……

 

実は、本日、この歳になって無謀にも某文学賞に応募してしまいました……

不定期練習会レポート

一昨日、伝楽亭で開かれました《不定期練習会》に参加しました。

来週の《三題噺の会》の練習というわけでは、ありませんが、それしかできないアタクシは、相も変わらず三題噺で高座を務めました。

 

いただいいたお題は、

『ミサイル』

高校野球

『かき氷』

ということで、困りました。

定石通りにオチから考えましたが、なかなかうまくできません。

また、『高校野球』と『かき氷』はともかく、これらに『ミサイル』をどうつなぐかというところが難しゅうございましたが、プロ野球なんかで『ダイナマイト打線』なんてこよが言われますので、これを手がかりに、因縁の対決となる高校野球の地方大会決勝、三対〇の九回裏二死満塁一発ホームランが出ればサヨナラ負け、という状況を設定しまして、オチは、『かき氷』と因縁の対決のわだかまりをかけて、

「溶けない」

といたしました。

 

面白かったのは、打ち上げで、浪曲を披露された久都師や『はてなの茶碗』でトリをとられた研多師と、日本の音楽と欧米の音楽の話などで盛り上がったことで、

「素人の落語会の打ち上げらしい話をせんかい!」

と、『青菜』を演じられた緑生師にツッコミを入れられて、オチとなりました。

                                  デンデン

《そこまで言って委員会NP》〜暴言迷言大賞から見えること〜

本日の《そこまで言って委員会NP》は2017上半期暴言迷言特集ということで、暴言、迷言、名言の三部門でノミネートされたそれぞれの言葉の発言者とその状況について振り返り、委員会のメンバーが上半期の大賞を選出するという、恒例企画でございました。

 

大賞に選ばれましたのは、拙ブログでも触れました豊田真由子議員の、

『このハゲー!』

でございましたが、ノミネートされた言葉を改めて眺めてみますと、アメリカはトランプ大統領の、

『you are fake news.』

てな大物発言から、

『一線は超えていません』

なんて不倫議員の言い訳まで、政治家、あるいは政治家に言葉の多かったこと……

 

暴言と迷言には十六の言葉がノミネートされていましたが、

『一線は超えていません』

を含めて名言は、わずかに五つでした。

 

もちろん、ノミネートした番組の意図もありましょうが、アタクシたちは、日々、どれほどくだらない言葉に侵されているのか、ということの証しのようにも思いました。

 

だから、癒される言葉や勇気を与えてくれる言葉を集めた書籍、名言集が書店やコンビニエンスストアーに、いつも、そしていつまでも並んでいるのでしょう。

 

個人的には、藤井四段の、中学生とは思えない、

『僥倖です』

と、某国の報道として発信された、

『アメリカ空母は太って肥大した変態動物』

を、選出したいと思いましたが、番組冒頭で初出演の六代目三遊亭円楽師の、

「この番組って、何でも言って委員会でしょ」

に、大賞を差し上げたいと……

 

え?

(それは年間大賞にノミネートせなあかんやろ!)

サワコの朝から〜由美かおるさんの教え〜

サワコの朝》(MBSテレビ)の今日のゲストは、由美かおるさんでした。

由美かおるさんは、もうそのお姿を拝見するだけでこちらから何も申し上げることはありません。

かの《水戸黄門》(MBSテレビ)の入浴シーンを見せてくださるためにこの世に降臨された……

失礼。

この世に、ほんとうの美しさと明るさをもたらすために降臨された方だと、アタクシ、個人的に思っております。

 

その美しさと明るさの基盤になっているのは、

「苦労するのは当たり前」

というさりげないお言葉にあると感じましたが、同時に、

撮影場に通っていた頃、毎日ミニスカートで守衛さんにも明るく挨拶をされていたというエピソードを裏付けるものでもあると思いました。

 

また、食べ物でも何でも自分が欲しいと思うものは、今の自分に必要なもので、そうしたものからいろんなことを学んだ、という主旨のお言葉にも改めて感服した次第で、これからは遠慮なく欲しいものを手に入れるようにしようと、アタクシ、意を新たにした次第であります。

 

これを、本日再び例の友人に語りましたところ、

「キミの場合、『苦労するのは当たり前』だと思わずに、欲しいものを手に入れようとするところに、問題があるよね」

あの人にあいたい〜大山康晴永世名人の言葉〜

今朝のNHKの《あに人にあいたい》は、将棋の大山康晴名人のアンコール放送でした。

 

〝受けの大山〟の異名と称された極意は、

「反撃ができる態勢の受け」

だそうです。

 

「負けて苦しいときにいかに耐えぬいて勝ちに持っていくか」

「我慢と忍耐で勝ちにいく」

 

スランプに陥ったときには、考え方や食事にいたるまで、少しずつ変えて気分を変えていくそうです。

 

昨今、気になっておりますのが、

「受け皿になる」

とい言葉でございまして、その他大勢になってしまった感のある野党の皆さんがこれをよくお使いになっているように思いますが、

「政権を取るチャンスのない今だからこそ何を為すべきか」

を考えることなく、

「巨大与党の落ち穂拾いやりますよ宣言」

のように聞こえるのは、アタクシのモノの見方が歪んでいるからでしょうか……

 

『勝つためには、負けているときに何をしなければならないのかを考える』

ということが、〝受けの大山〟の極意かと思います。

 

これを例によって例の友人に話しましたところ、

「キミの場合、これがだめならあれをやってみて、それもうまくいかかったら別の何かに手を出して、とやっているから、〝受けの名人〟ではなく、いつまでたっても〝ウケ狙いの永世迷人〟だろうね」