1992年12月に公開されたのを最後に、『ちびまる子ちゃん』は映画化されていません。
『サザエさん』は五十年以上前に実写版で10本目の映画が公開されて以来、やはり映画化されていません。
にもかかわらず、長寿番組として放映され続けています。
同じアニメーションの長寿番組でも、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『ドラゴンボール』などは、今でも映画化されています。
この違いはどこにあるのでしょうか?
通常のテレビアニメーションは、30分ですが、映画にすると2時間は必要です。
しかも、その間、観客を飽きさてはいけません。
そこで、涙と笑い、謎解き、冒険という要素をふんだんに盛り込む必要が出てきます。
それが、未来からやってきて異次元ポケットから便利な道具を出せる『ドラえもん』や異次元で何でもありの『ドラゴンボール』、幼稚園児のくせにお友達と悪の組織に立ち向かう『クレヨンしんちゃん』のようなぶっとんだ内容なら可能ですが、『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』のような日常の1コマを描き出して「懐かしい」と視聴者に感じさせるアニメーションでは、難しいからではないかと思います。
サザエさん一家を『ドラえもん』のような非日常の未来や『ドラゴンボール』のような異次元世界に投げ込んでも、たとえば、「ばぶー」「はーい」しか言えないイクラちゃんが魔人ブーと互角に当たり合えるはずもなく、まる子にいくらおじいさんや花輪君がついていても、『クレヨンしんちゃん』のように、とんでもない悪の組織を相手にチームワークを発揮することなどできるはずもありません。
かりに、それができたとしても、おそらく、根強いファンがそんな暴挙は許さないでしょう。
それでも、『ルパン対コナン』が実現したのですから、『イクラちゃんVS魔人ブー』のブー対決も実現可能ではないかと……