アニバーサリーに機関銃……

昨年、日本の映画界では600作品が公開されたそうです。

ということは、作品の数だけ俳優や監督、スタッフもいらっしゃるということです。

それだけの人たちがそれぞれに映画を作っておられるなら、それこそ斬新で見応えのある映画が観られるかと思いきや、それだけがっかりさせられる映画も少なくないということに迂闊にもアタシは気づくことなく、かつて学生時代に感動した映画のタイトルを冠した映画を観にいってしまいました……

 

封切り初日二日の土日は混んでいるだろうと考えて、その三日後ぐらいの平日に訪れましたが、いわゆるツ離れしない、閑古鳥が鳴いているという状態でした。

「え? 封切り直後でも平日はこんなものか……」

と思いましたが、観ながら、なるほど過去のヒット作品にこれだけおんぶに抱っこの映画が売れるわけはないと、納得すると同時に怒りさえ覚えてしまいました。

 

若いけれどヒロイン役の女優やベテラン俳優陣は、さすがの演技を見せてくれてはいましたが、それ以外で光っていたのは、ナイフ1本で冷酷な若い殺し屋を演じていた兄ちゃんぐらいで、ヒロインの相手役の薄っぺらな人物像には、思わず機関銃を連射したい衝動にかられました。

かつての栄冠に輝いた作品に寄りかかっただけの、リアリティーのないシナリオが直接の原因かとも思いましたが、それはおそらく現場を取り仕切る監督の責任であり、あるいはそんな監督やシナリオライターを起用したプロデューサーに、一番の責任があるように思いました。

 

観終わってから、この作品を40年のアニバーサリー映画としている映画会社に、

「木戸銭返せ!」

と電話をかけてしまいそうになりましたが、お誕生月の割引サービスで前売りより安く観られましたから、ちょうどそれぐらい割り引いた安物の映画を観てしまったということで何とか納得しようと思い込もうとしました……

でも、でも…… 

結局、ブログのネタにして少しでも元を取ろうとしているアタシに、どうぞ皆様、ブログの木戸銭を返せとはおっしゃらないでください。

 

それでもまあ、一番大変なのは、600作品の中からヒット作を生み出さなければならない監督かもしれません。おそらく会社をバックに持っているプロデューサーよりも、映画監督のほとんどはフリーでやっていらっしゃるようで、ヒット作品を生み出さないと、ただのフリーターになってしまわなければならないようです。

 

「そういう意味では、キミも同じだろ」

と例の友人に言われて、

「じゃあ、アタシもアニバーサリーで何か……」

(バババババババ!)