先日、『日本笑い学会』のオープン講座に参りました。
講師の、関西大学人間健康学部の森田助教の、《笑む》をテーマにした90分の講義は、非常に興味深いものでした。
中でもアタクシの脳みそを刺激いたしましたのは、芥川龍之介先生の『手巾(ハンカチ)』の、息子の恩師に、息子が亡くなったことを報せに訪れた婦人が、笑顔を見せながら、恩師に見えないテーブルの下でハンカチを握りしめていたというところでした。
数十年前、若くして後輩が亡くなったときに、やはり後輩であったその妻が、葬儀のあとによく笑っていたことを思い出しました。
良好な人間関係を構築する、あるいは維持するための笑みについては、それが自然であっても、作為的であっても効果があるということは、改めて述べるまでもなく、認識されている方は少なくないと思いますが、悲しみに伴う笑顔ほど、切ないものはないように思いました。
もし、この講座に参加しなかったなら、その昔、カウンターに座って隣の人が顔を向けているときには笑顔を見せて、そうでないときには無表情になっていた高田純次さんのコマーシャルを、《笑む》ことの象徴的イメージと思い込んでいたかもしれません。
ただ、そうした高田純次さんのコマーシャルのように生きておりますアタクシがその生き方を変えられるかと申しますと…… (笑)
これを書いておりますときに、例の留五郎さんより、昨日の拙ブログの冒頭、
「〈先実〉は先日やないんかい! それともわしらを試してんのんかぁ〜」
と、メールをいただきました。
アタクシに、それほどの力量がありましたら、もっと読み応えのあるブログが書けております…… (笑)