昔、地下鉄の車内で、ローン会社の広告と、借金返済の過払い金清算業務を専門に扱う弁護士の宣伝が、並んでいたところを見たときには、妙にうれしく思いました。
同様に、植毛と増毛とウィッグの新聞広告が同じ紙面にあり、テレビコマーシャルで流れていると、やっぱり面白いと思います。
「中国の春秋時代、長年敵同士であった呉という国と越という国の、両国民が同し舟に乗り合わせたという故事から生まれた、
『呉越同舟』
という言葉があります。
①〈仲の悪い者同士が一つ所にいること。仲の悪い者(敵)同士が、たまたまいっしょに居合わせて行動をともにすること。〉
②〈敵同士が共通の困難にあたって努力すること。〉
といった意味があります。
ローンと過払い金の広告も、植毛増毛ウィッグの宣伝も、①に当たるかと思います。
もちろん、同業同士でも、同じかと思いますが、同じ広告媒体に同時に載っていたなら、『呉越同舟』と言っていいのではないかと思います。
昨年から、共産党が他の野党と候補者調整を行っていますが、これは②の状況に当てはまるかと思います。
週刊少年ジャンプ(集英社)の『ワンピース』(作・尾田栄一郎さん)の主人公、ルフィが、現在進行中の連載で、カポネ・ベッジと手を組もうというのも、②に当たるかと思います。
いずれにしろ、問題は、どちらが呉でどちらが越であるかというところになるかと思います。
《中国故事成語辞典》によりますと、後年、呉は越に滅ぼされておりますから……
でも、その越も、のちに楚の国に滅ぼされておりますから、世の中、
てなもんかもしれません。