先生が、
「人の嫌がることをしなさい」
と言ったところ、前の席に座る子供のイスを蹴り始めた生徒がいたそうです。
先生は、誰もが嫌がるような仕事、たとえばトイレ掃除などを自ら率先して行いなさい、と言いたかったようですが、聞き手は、それを反対の意味にとらえてしまったということです。
アメリカのレストランで、
「Are you ready? order?」
と尋ねられて、メニューに記されていた日本の料理を、たちえば、ウナギの蒲焼きを注文しようとして、
「I am an ill(ボクはウナギだ)」
と言ってアメリカ人に不審がられるというエピソードは、昔からあります。
政治家ややお役人が、かつてよく用いた、
「善処いたします」
は、言葉通り翻訳すると、あとで、
「善処どころか、何にもしてへんやんけ!」
と、外国人から、怒りを買ってしまいます。
京都では、早く帰ってもらいたい訪問客に、
「ぶぶづけ(お茶漬け)、いかがどすか」
という婉曲表現を用いるという話も、昔からあります。
そんな日本語に対して、日本以外の国の表現の、なんと素晴らしいことか!
「無慈悲な報復攻撃で敵対勢力の頭上に雷を落とす」
てな某国の台詞なんて、アタクシ、痺れてしまいます。
どこぞで使いたい、という衝動にかられてしまいますが、相手から使われたら、
「まあ、そないおっしゃらんと、ぶぶづけ、いかがどすか」
と応じてしまいそうです。
デンデン