引退会見で、
「もうすべてをやり尽くした、という思いが強く、引退を決意した」
と述べ、お父様が生前に、
「引き際が大事だ。勝って終わることが大事だ」
とおっしゃたこともその理由の一つのようです。
プロ野球選手の中には、
「まだ燃え尽きていない」
「まだやり残したことがある」
などと言って、最終的に契約してくれる球団がないままに、実質引退しているような選手が少なくありませんから、
《すべてをやり尽くした》
《引き際が大事だ》
と会見でおっしゃった吉田選手は、なんと素晴らしく、また幸福な選手だったのではないかと、改めて感服いたしました。
スポーツ選手に限らず、古くは山口百恵さん、最近では安室奈美恵さんの、絶頂期にあっての引退は、惜しくもありながら、見事な引き際であるとも思います。
樹木希林さんのように、死ぬまで女優であった役者さんも多々いらっしゃいますが、現役を貫いて死を迎えるというのも、一つの理想かもしれません。
ただ、すべてをやり尽くしたと言えるだけの何かをやりとげたわけでもなく、それがためにいつまでも引けない、いえ、ずるずると引かなくなってしまっている自分を、さあ、どないしたらよろしゅうございましょうや……
吉田沙保里さん、ありがとう!
お疲れ様でした!