瀬戸内寂聴先生の『求愛』(集英社文庫)を買ってしまいました……
何が素晴らしいと言って、
「九十七歳で小説をお書きになっている!」
というところですが、これが、初の〈恋愛小説集〉で、短編、というよりもショートショートが30編も並んでいるところでしょう。
書店で思わず手に取って、中の一つ『』に目を通し、うっかり井上荒野さんの、
〈読んでいて落ちつかなくなる〉
から始まって、
〈楽に読めない、安心して読めない、読んでいると消耗する。〉
〈読者レビューで、自著について「サクサク読めました」と書いてあるのを目にすると(中略)ーがっくりする〉
と続く解説を読んでしまっては、もういけません。
素敵な女性に二人掛かりで口説かれては、アタクシでなくても、無駄な抵抗はできなくなるのではないでしょうか……
まだ、すべて読んではいませんが、男と女、人間の性と人生を知悉し、なお練達の、いえ、そうは見せない技量があればこその作品集だと、アタクシ、ただただ感嘆するばかりでございます。
ああ、現実にも、こんなふうに素敵な女性に口説かれてみたい……
ぼか! どす!ごん!