人気を誇る芸能人が、女性に性的な行為を強いるという事件は、古今東西枚挙に暇がありません。
被害者の一人が現れるたびに、
「これは氷山の一角である」
という論評が流れます。この他にも明らかになっていない被害者が存在するという意味で、それは間違ってはいません。だから、同様の被害者が現れるわけですが、でも、最初に告発した女性が、ファーストペンギンと呼ばれることはありません。
なぜでしょうか?
他の人に先駆けて、周囲から非難を浴びることも承知の上で、つまり、危険を冒して最初に海に飛び込むファーストペンギンとして、彼女の勇気は称賛されてもいいように思います。
しかし、氷山の一角と評されても、ファーストペンギンにされないのは、そうしたくない族が決して少なくないということことではないかと、密かに思います。
氷山の一角と論じるだけなら、露見していない氷山の大部分に身を潜めていることは可能です。
でも、ファーストペンギンには、必ず後に続く者がたくさん現れます。
2022年には、映画監督から俳優があぶりだされました。
「#Me too」は、世界を席巻しました。
おそらく、そんな事態に追い込まれたくない族に限って、
「恥ずかしくないのか?」
「本人にも落ち度があるんだろう」
なんてことをのたまう形で、後に続くペンギンの行動を制しようとしているのではないかという考えには、また、非難が集まるかもしれません。
ただ、非難する方、特に匿名でそのような行為に及ぶ人には、よけいに、
「非難しなければならない特別な理由があるのですか?」
と質問したくなります。
こんなことを、こっそり例の友人に語りましたところ、
「君のように、清廉潔白でありたいものだ」
と皮肉を言われてしまいました……
新年4日より、同じはてなブログで【先生! 思考遊戯の時間です!】を始めました。よかったら、そちらも覗いてやってください。