『第33回正論大賞』と『第1回自作落語の会』

遅くなりましたが、19日(土)に開催されました、『第1回素人自作落語の会』の御報告をいたします。

八景師『結婚願望』、美里嬢『深山の産婆』、かかし師『アマの寿限無』は、過去に創作された噺で、玄関師の『時代おくれ』と拙作『たいむべると』は、今回のためにこしらえた新作でございました。

 

特にお客様の支持を得ましたのが、IT 化についていけないかつての凄腕営業マンの新真骨頂、人とのつながりを大切にするということを描いた玄関師の人情噺『時代おくれ』でした。

 

NHKの朝の『わろてんか』でも、取引する相手がどういう人物か見極めなあきまへんで……てなシーンがありました。

 

昨日、『第33回正論大賞』を受賞された文芸批評家の新保佑司氏は、

《日本文明の中における『静かで美しい重石』として残っていく言葉を紡いでいきたい》

と、受賞の挨拶をされたそうです。

 

IT 化が進む中で果たしてそうした言葉がどれだけ残っていくのだろうか、それによって、たとえば便利で住み良い社会になるのかそれとも単に便利なだけの社会になるのか、分かれてしまうようにも思います。

 

え?

(アンタの『たいむべると』はどないやったんや)

 

それがまあ、お客様から、

「話が重たい……」

と言われましたんで、アタクシの噺はきっと新保さんのおっしゃった、

《静かで美しい重石》

になるのではないかと……

 

ドス! ボカ! ゴン!