「人生は金じゃない」
「世の中、金だけじゃない」
と、口にする人がいます。
たとえば、外資系企業の傘下に入った日本企業の生え抜きの社員が新製品の企画を提案すると、
『それが売れると断言できる根拠』
が必ず求められます。
提案した社員は、
「世の中、金だけじゃない。夢がほしいんだよな〜」
たとえば、学校や予備校、塾の先生が仕事を続けていられるのは、教え子からの感謝の言葉があるからです。
その言葉が、先生方に新たな活力を与えます。
ただ、授業料を払っているのだから、卒業しても、あるいは志望校に合格しても、そんな言葉は不要だと考える向きもあり、そう考える人種ほど、授業料以上の要求を在学中にするようです。
たとえば、年末に、よく行くカラオケ店で、
「ありがとう。よいお年を」
と笑顔で付け加えて店を出ると、翌年、私は常連客からお得意様に格上げされました。と言っても、料金でお得なサービスを受けたわけではありませんが……
昔、私の友人が、
「金は天下の回しものではなく、金は天下に回すものだ」
と言っていました。
『情けは人のためならず。巡り巡って己がためなり』
という昔ながらの言葉からも考えますと、お金を回すついでに情けある言葉も回すのが、景気回復の一助……いえ、己がため、になるかと思います。
ただ、景気回復同様、その実感は、まだ、私にはありませんが……