俺はどうして以前、人間だったのか

中島敦氏の『山月記』は、人間が虎に変じる小説です。

虎となった主人公・李徴は、自分がなぜ虎になったのか考えますが、あるとき、ふと、

「俺はどうして以前、人間だったのか』

と考えている自分に気がつきます。

 

これは、使えます。

 

「私はどうしてこの人を好きになったっんだろう」

ではなく、

「この人はどうして私を好きになったんだろう」

 

「この子はどうして私の言うことを聞かないのだろう」

ではなく、

「私はどうしてこの子の言うことを聞かないのだろう」

 

「世の中はどうして私の思う通りにならないのだろう」

ではなく、

「私はどうして世の中の思う通りにならないのだろう」

 

ああ、どうして私は虎になれないのだろう……