評論家の竹村健一さんがよく口されていた、
「日本の常識は世界の非常識」
という言葉は、
「大阪の常識は日本の非常識」
と読み替えることもできるのではないかと思います。
先日お亡くなりになった噺家、桂米朝師は上方落語の人間国宝でしたし、落語の定席〈繁盛亭〉は繁盛しているようですし、テレビでも落語は放映されています。
ですから、
「日本に住んでいるなら、落語を知っていて当たり前」
と思っていらっしゃる方も少なくないと思いますが、他の地域では、落語を知らない、見たことがないという方の方が多いのではないかと思います。
たとえば、世間で話題になっている、視聴率の高いテレビ番組を知っているという人よりも、見たことがない、知らないという人の方が、多いのではないかと思います。
いくら視聴率が高いと言っても、20%程度ですから、100人のうち、80人は視聴していないということになります。
ところが、その番組に夢中になっている人の中には、自分が見ている視聴率の高い番組は、みんな知っていて当たり前だと思っている人もいらっしゃるようです。
上方落語には、大阪では当たり前のことを知らない地方の人の失敗を笑いにした噺もあり、反対に、所変われば自分が異端者になるという落語もあります。
ですから、落語に触れていれば、
『世界の常識は日本の非常識』
ということに気づくのが、当たり前のはずですが……
おっと、そう思う、
『アタシの常識は世間の非常識』
いえ、
『世間の非常識がアタシの常識』
です。