NHKの朝の連続ドラマ『ひよっこ』は、記憶喪失になっていたお父さんとの再会、特に本日の放送では、改めて脚本家、岡田恵和さんの力量に脱帽するばかりでございました。
菅野美穂さん演じる、女優、川本世津子さんの自宅に入る、木村佳乃さん演じるお母さんの、スリッパを履く足下を映し、大したことのない服の綻びを気にするシーンを入れたところに、お母さんの気持ちがよく表現されていたと思います。
アタクシはもちろん論外でありますが、果たしてどれほどの人が、記憶喪失となって二年半も行方不明だった夫を取り返すシーンで、これほど妻の心情を想像させるシナリオが書けるでしょうか……
それをまた、木村佳乃さんが素晴らしく表現されていらっしゃいました。
演じる、表現する、といった言葉でもったいない、失礼ではないかと思うほどでありましたが、浅学非才のアタクシには、申し訳あるませんが、それを表す言葉を持ち合わせておりません。
巷では、最近、『人間力』なる言葉が出回っているようで、
「人間力をつけるためには……」
なんて書籍も書店で見かけますが、まさに人間力の高い脚本家や監督の手による作品を見ることが、一番の方法かもしれない、と合わせて考えてしまいました。
あとは、泣くだけです……