『悪の哲学』宮沢賢治先生

昨日購入いたしました『悪の哲学』(筑摩書房)に、宮沢賢治先生の[毒もみの好きな所長さん]があります。

小学校の教科書に[やまなし]が掲載され、[銀河鉄道の夜]や[注文の多い料理店]など、よいこの童話の作り手として知られている宮沢賢治先生です。

 

書き方は、他の宮沢賢治先生のお作品と変わりません。

ただ、警察の署長さんが、悪いこととされていることをやって、毫も罪悪感を持たず反省もしていないというのは、それがもう面白くて仕方がないからだと解釈できます。

 

悪とは、罪悪感を持ちながら我慢できないことをやってしまうものではなく、悪いこととされていることを知っていながら、平然とやってしまって、なお、露見したときにはその罰を甘受する……

 

いわゆる猟奇殺人をやらかしてしまう人間が、これに当てはまるのかもしれません。

 

車の往来の有無を確かめてから信号を無視して横断歩道を渡るアタクシは、その行為に罪悪感を感じません。

でも、よい子が近くで信号を守っていると、まったく車の通行がなくても信号を無視することはいたしません。

 

まだまだ悪に徹し切れないアタクシでございます……

 

今日は、伝楽亭で行われる『三題噺の会』に出ます。

よろしければ、皆様、お誘い合わせのうえ、お越し下さい。